2006年03月19日

インプラント体のお話-その2 インプラントと上部構造のお話

前回はインプラント体の形についてお話しいたしました。インプラントの表面性状、全体の形はいろいろに改良と工夫が重ねられてきたことがおわかりになったと思います。
さて、今回はこのインプラント体と上部構造(いわゆる歯の部分)をどのようにつないでいるか?をお話しいたしたいと思います。
まずはおさらい!
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インプラントのあたまの部分にはこのように『六角形』の出っ張りが出ています。通称『エクスターナル・ヘクス』。この構造はブローネマルク先生が特許を申請せずオープンにしたことで様々なメーカーが利用することができたとか???
確かにメーカー間のパーツがある程度共用できる点ではよかったかな?
この六角形の中にはもう一つ穴が開いててここにもう1本ねじが入るようになっています。
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こんな感じです。この金色のねじはだいたいめがねのフレームに使われているねじと同じ大きさです。
これを歯の支台の部分となるパーツとの連結に使うのです。
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そしてこの支台に歯をかぶせるわけですね。
だから、歯になる部分とインプラント体はめがねのねじ程度の細いねじでつながっているだけ なのです。
ちょっと不安になりました?
実はこれには理由があって、歯に過剰な力がかかるような場合にはこのねじが先にゆるんだり、折れたりすることで骨の中のインプラント体やその周りの骨を守っている訳なんですよね。
天然の歯には歯根膜といういわばショックアブソーバーのようなものがあるのですが、これでも過剰な力がかかってしまうと歯の周りの骨は吸収されてしまうのです。インプラントの周りにはこのような歯根膜は存在しませんので、このような危機管理機構が備わっているわけです。
もちろん、危機管理機構が備わっているとはいえ無理な設計がないよう最初から治療計画はきちんと立てる必要があります。
大月歯科医院では術前の完成予想模型を必ず作成します。これは前もって無理のないインプラント治療の構造設計を行うためでもあるのです。こうなってくるとインプラント治療はマンションやビルの構造設計と同じように、きちんと力関係の配慮を行う必要があることがおわかりになると思います。

投稿者 ochan_implant : 18:24 | コメント (1) | トラックバック

2006年03月13日

インプラント体のお話-その1 インプラントの形の変化

今回は大月歯科医院で使用しているインプラントの形についてご紹介したいと思います。
インプラントといっても各社様々な工夫をこらしているのですが、大月歯科医院で使用しているインプラントはアメリカの3I(スリーアイ)の製品です。このブログにもリンクを貼ってありますので詳しいことはそちらからもご覧になることができます。
大月歯科医院でのインプラント治療にこの3I社製のインプラントを使用することにした最大の理由は...
1.アメリカで大きなシェアを誇っている。
おそらく世界中で一番インプラント治療が行われているのがアメリカだと思いますが、そのアメリカで大きなシェアを誇っているインプラントが3I。従って数々のインプラントのためのパーツの供給も安定しています。車でもあまりマニアックな外車にしたときに故障の時パーツを取り寄せるのには苦労しますよね?あれと一緒です。一番いいのは国産のでしょうが...残念ながら長い歴史と高い安定性を誇るメーカーは国内にはあまりありません。これからが期待されるところです。
2.高い成功率。
もちろんこのことは最大の理由にもなります。多いなシェアを有して多くの数が使用されていて高い成功率を誇ることは何よりも安心ですよね。
3.補償制度の充実。
このメーカーでは3I社の認定の研修コースを受講して、正しい術式に基づいてインプラントを埋入したにもかかわらず、初期のオッセオインテグレーションが得られなかった場合はメーカー保証を受けることができます。これもこの会社の自信の現れなのでしょうね。
このあたりが、大月歯科医院でインプラント治療を行うときに使用するインプラントを決めた理由です。
さて、この3I社のインプラント、ずっと同じなのかというとそうではなく、やはり様々な改良がなされて現在に至っているのです。
大月歯科医院で使用したインプラントの種類も現在のところ2種類ありまして、今ではオッセオタイトNTというタイプを使用しています。ちょうど今、この3I社製のインプラントの模型が当院にありますのでインプラント体の形の変遷を見てみましょう。
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左から初期型のICE、オッセオタイト、オッセオタイトNTという順番に並んでいます。元々はブローネマルク(今はノーベルバイオケア)のインプラントのコピーのようなものだったのですが、セルフタッピング(木ねじのように自分で溝を切って中に入っていくもの)ためのICEというカッティング構造を持ったのが初期タイプのようです。この時はまだインプラント表面はつるつるの機械研磨のままです。ところが少しでも早くオッセオインテグレーションを得るために、そしてその当時は何症例と言われていた上顎の臼歯部へのインプラント治療を可能にするために表面構造への改良がなされていくことになりました。そして表面性状をサンドブラスト処理と酸エッチング処理を施したオッセオタイトというタイプのインプラント(真ん中のインプラント)が登場します。大月歯科医院ではこのオッセオタイトのころからこのインプラントを使用しています。ただ、機械研磨面のいいところもあって、感染にはつるつるの方が強いのです。おそらく細菌の足場がつきにくいのでしょう。したがってオッセオタイトでは上から3番目の溝のところまでは従来の機械研磨面が採用されています。こういうところがすごく安全と確実性を求めているなあと私が気に入っているところでもあるのです。そしてさらにオッセオタイトから、より自然の歯に近い形と埋入時の負担の軽減を求めるために改良されたのがオッセオタイトNTです。大月歯科医院でも現在はこのインプラントを使用しています。この歯根型にインプラントがなったことで、実は様々ないい点があります。わかりやすく言うと天然歯と同じような形だから上顎の前歯部や小臼歯部などの根尖部がやや狭搾した形の骨の部位に埋入しやすくなりました。これについてはいいケースがありましたので近日ご紹介の予定です。あと、なによりもドリリング(骨を削ること)の時間が従来の半分以下になりました。これはドリルの改良によるところが大きいと思うのですが、それだけ手術時間も大きく短縮され、患者様の負担も大幅に減りました。もしかすると歯を抜くよりも簡単になったかもしれないと思います。
このようにインプラント自体も少しずつ改良が加えられているのです。
次回は実際インプラントはどのようにして上にかぶせる歯とつながっているのか??について述べたいと思います。

投稿者 ochan_implant : 01:29 | コメント (0) | トラックバック

2005年11月15日

骨増生(GBR)には欠かせない骨補填剤

今回はインプラント埋入の前処置として欠かすことのできない、骨増生(GBRといいます)に必要不可欠な骨補填剤について説明いたします。
骨を増やすためにはどこからか余分な骨を持ってこなくてはいけません。もっとも確実な方法は『自分の骨(自家骨といいます)』を持ってくることです。この方法に勝るものは今のところ無いと思います。そのためにいろいろなところから骨を採取してくる必要があります。
よく使われる部位としては下顎骨の臼歯部やオトガイ部、そして腸骨などです。しかしとれる量には限界があります。そこで自家骨にブレンドして量を増やすときに使われるのが骨補填剤です。骨補填剤と言ってもいろいろな種類があって、その使用目的も微妙に異なっています。また、使用するドクターによっても多少見解が異なっているところもあり、ブレンドの比率や使用する補填剤の種類もちょっと『企業秘密』的な部分となっているようです。一応当院にもあるにはあるのですが、ここでは公開はいたしません(^^;)。それでは早速現在大月歯科医院でストックしている骨補填剤の紹介をしていきたいと思います。まるでボーンコレクター(?)のようですが、お付き合いください。
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現在6種類ほど骨補填剤があります。

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BioResorb
ドイツ オラトロニクス社の製品で成分はΒ-TCPです。いわば100%化学合成品です。

 BioResorb "Macro Pore"
ドイツ オラトロニクス社の製品で左のバイオリゾルブの後継製品です。最近流通するようになったもので、まだ手に入りにくい製品です。成分はやはりΒ-TCPです。

 Bio-OSS
スイスのOsteohealth社の製品です。ウシ由来多孔性骨ミネラル骨補填剤。要はウシから作られているわけですね。BSEが心配と思われますが、基本的にBSEの危険性の無い部位(皮質骨)が原料ですから問題はないといわれています。硬い骨ができるようです。


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FDBA
アメリカ LIFE NET社の製品でやはり臓器移植の大国だけあり、ヒトの皮質骨の凍結乾燥骨です。
 DFDBA
アメリカ LIFE NET社の製品でヒトの皮質骨の脱灰凍結乾燥骨です。
 DEMBONE(DFDBA)
アメリカ パシフィックコースト ティッシュ バンクの製品です。
ヒトの皮質骨の脱灰凍結乾燥骨です。
大月歯科医院ではこの製品を一番よく使っています。

いずれの製品もよく考えられていて、GBRにはなくてはならないマテリアルです。
もちろん使用方法はよく勉強して使う必要があります。あとGBR自体、ある程度の経験も必要ではないかなと思います。というのも材料だけでは治療の成果は期待できないからです。手術の手技や微妙な成分の調整など、いろいろな知識と経験が必要とされます。
もちろん、GBRにもテクニカル的な限界があります。そういうときは骨移植や骨延長などの方法も含めた治療計画が必要となるでしょう。
いずれにせよ、術前の入念な計画と、説明が必要ですので担当のドクターとのコミュニケーションが重要であることは確かでしょう。

投稿者 ochan : 05:00 | コメント (1) | トラックバック