下顎のインプラント治療を行うとき、もっとも気をつけないといけないのが下歯槽神経の損傷です。これを起こすと唇にわたっての知覚麻痺を起こしてしまいますので大変です。
もちろんこのリスクを避ける上で解剖学的な充分な知識も必要となることは言うまでもありません。しかし、それだけでは不十分です。昔はパノラマレントゲン写真だけを頼りにだいたいの下歯槽神経の位置までの深さ(これは埋入するインプラントの長さに影響してきます)を計算していたのですが、これがきわめてアバウトなのです。
なぜならパノラマ撮影はセッティングを行う人によりその拡大倍率が様々に変化しているからです。
したがって、インプラント治療をお考えの方は、その歯科医院がCTによる術前診断を充分行っているかどうか確かめてみられるのも、安心してインプラント治療を行えるかどうかの目安の一つとなると思います。
決して『安い・早い』を基準にすることのないように。標準的な価格から著しくかけ離れているものは先日の偽造マンションの話ではありませんが、何かあるものです。
さて、CT撮影を行っているとしても、ちゃんと解析を行わないと全く意味がありません。そこで当医院で使用しているCTの解析ソフト『10DR』をご紹介いたします。
昔は当医院では某有名な○○プラントというソフトを使っていましたが、下歯槽神経の同定が困難なケースが時々あって、あんまり意味無いな..と思っていたのです。
ところがこの10DRはその部分を見事に解決しており、実に良くできたソフトです。このソフト、有料版(3D版)と無料版(2D-Simple)がありまして、私は有料版を持っているのですが、もっぱら最近は無料版を使用しています。実際の臨床にはそれで十分だからです。
実際のCT解析画面はこのような感じです。

このソフトの良いところはパノラミックビューの断層ラインを自分で変えて見れるところです。今の○○プラントも可能になっているのかもしれませんが、その当時は不可能だったのです。
向かって左側のパノラマチックに見えているものがそれです。これを断層域を少しずつ動かすと下歯槽神経の走行がよくわかるのです。
わかりやすくアニメーションにしてみますとこのような感じです。

矢印が下歯槽神経ですね。こうやって神経の走行場所を特定してから、インプラント埋入場所での埋入深度の決定を行っているのです。


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